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『会社も売買できるんです』中小企業M&A講座  第3回

さて、前回はM&Aを行っている人達とその手法についてご説明しました。

スポーツで言えば、前の2回はルールとプレイヤーについての説明でしたが、

いかがでしたでしょうか?

 

長期的にM&Aをお考えの経営者さんもおられるかも知れませんが、

今回からは具体的にどうやってM&Aに取り組んでいくかをご説明致します。

 

ところで、取り組み方をお話しする前に大事なことがひとつありました!

他社の買収を考える場合についてですが、

その大前提として「何の目的でどんな企業を買収するか」

という明確な目的が不可欠だということです。

お堅い言い方をすれば、どの様な『経営戦略』を立てて、どれだけの儲けを産むか、

費用対効果を十分に考えておかないと大損!って事になりかねません。

 

一方、売却希望企業の場合でも単に高く売れりゃいいって訳でもなく、

売却先選定の際にある程度の条件、

例えば売却額は○○円以上とか、従業員の全員雇用という様な提示を行うケースがあ

ります。

けど、業績不振が原因での売却の場合は、売却額交渉一本になってしまいそうですか

ら、

実際問題としては難しいかも知れません。

特に、業績不振での売却の場合は、売却したい企業の方に時間がない場合が多いです

から...

 

 

お話を取り組み方に戻しまして、一般的なM&Aの段取りとしては、

1.ターゲット企業の選定

2.初期的調査

3.交渉①

4.基本合意

5.詳細調査

6.交渉②

7.売買契約

8.統合

となり、一般的には6ヶ月から1年、場合によってはそれ以上かかります。

 

変な例えですが、よくM&Aはお見合い結婚に例えられます。

仲人さんを立てて、場合によってはお見合いの相手も探して、

それで二人の仲を取り持つっていう進め方が似ているからでしょうね?

で、M&Aの場合「仲人さん」を「アドバイザー」と呼ばれるM&Aを

専門とするコンサルティング会社や金融機関などが

上記1から7、場合によっては8までを一貫して行う事が一般的です。

まぁ、別にアドバイザーを立てなきゃダメという法はないんですが、

相手先探しひとつ取っても自社で行うのは大変ですし、

特に「時間」というのがM&Aについては非常に重要なポイントになりますので、

アドバイザーを立てた方がスムーズに事が進みます。

 

それで、ざっとになりますが今回は1~4をご説明、次回は5~8に加えて

M&Aの為の資金調達についてご説明致します。

 

 

まず1についてですが、もちろんM&Aはターゲット企業、

つまり買収または売却する相手を探す事から始まります。

買収希望の企業については企業側が「あの企業を買いたい!」という

明確な希望を持っている場合もありますが、買収または売却先企業の

業態や規模、地域については明確に決まっていても、どの会社かまで

具体的に決まっている事は少ないです。

 

という事で、アドバイザーの出番なんですが、

アドバイザーは、自社で収集したM&A情報、要は買収/売却希望企業の

リストの中からM&A希望の企業に、

希望に近い企業の情報を提示して、ターゲットを絞り込んでいきます。

 

そこで候補先企業を複数選び出して、優先順位の高い順番にアドバイザーが

アプローチをかけていき、買収/売却提案に応じてくれそうな企業を探していきま

す。

なお、この段階ではアドバイザーは、買収/売却を希望している企業の社名や

住所などは伏せてアプローチを行っていきます。

この辺、非常に地道で骨の折れる仕事です!なんたって人様の会社に

「おたくの会社売りませんか?」って電話かけるんですから(苦笑)

ちなみに買収提案の連絡を電話で行う事を、外資では「あいさつの電話」と言うらし

いです。

 

次に2ですが、買収/売却提案に応じてくれそうな、または

興味をもつ企業が出てきたら、アドバイザーはその企業と「秘密保持契約」

を結んだ上で初期的調査を行っていきます。

ちなみにM&Aのターゲット企業を調査する事を「デュー・デリジェンス」といい、

この段階では、ターゲット企業の収益性や事業計画を調べたり、経営陣に

ヒアリングを行ったり、事業所見学を行い、買収/売却を希望している企業にとっ

て、

ターゲット企業が買収/売却の目的に合っているかを調べていきます。

ご参考ですが、買収の際の調査ポイントとしては、

①ターゲット候補企業に買収/売却を希望している企業がほしがっている

 経営資源やノウハウがあるか?

②収益性や財務内容に不安はないか?

③買収/売却するとしたらどれくらいの金額になるか?

以上が重要なところですね。

 

初期的調査といいましても相当詳しく調べるんですが、買収/売却を

希望している企業が話を進めたいって事になりますと、

相手先にどの様な条件を提示するか、基本的条件を決めた上で、

ここで初めて買収/売却を希望している企業の社名がターゲット

候補企業に明かされ、3の交渉①がスタートします。

交渉は当然トップ同士が行うので「トップミーティング」と言われたりします。

 

そこで、基本的な条件について双方で合意できれば4の「基本合意書」

を締結します。ま、あくまで基本合意なんでM&A成立ではないんですが、

先ほどのお見合い結婚の例でいうと婚約みたいなものですかね?

要は、双方の意思が重要な部分では一致したという事ですので、

余程何かない限り成立するっていう段階です。ここまでは水面下で秘密裏に

進められるんですが、大手企業ではこのあたりで公表するケースが多い様です。

 

以上、1のターゲット企業の選定から4の基本合意のところまで

駆け足でご説明させていただきました。

 

 

どのプロセスについても外す事のできない重要な業務ですが、

中小企業のM&Aの場合、ここまでの段階での重要なポイントは

アドバイザーの選定になります。

 

大手の場合なら複数のアドバイザーにターゲット企業の選定や

初期的調査を依頼する事もできますが、当然コストもかかりますので、

アドバイザーを絞ってM&Aを進める事が効率的です。

 

ちなみにアドバイザーにもいくつかのパターンがありまして、大まかに分類します

と、

①金融機関系

②独立系

③士業系

以上に分けられます。

 

①は内外問わず証券会社や銀行が多いですね、最近は国内の信用金庫でも

 M&A提案を行っているところもあります。

②は金融機関やコンサルティング会社から独立したっていう人が多く、

 比較的小規模な会社が多いです。

③は税理士事務所や公認会計士事務所が母体となっている会社です。

 

いずれも一長一短ありますが、おおまかな傾向をお話ししますと、

①の金融機関系だと、情報は多く持っていますが、ある程度以上の

 規模のM&Aしか対象にしていないケースがあります。

②の独立系は実力のある人が独立してる場合が多く高いレベルの

 ところもありますが、ノウハウがあるかの判断が難しいです。

③の士業系は財務面や法務面は強いのですが、事業計画の判断や

 交渉面になると弱い会社もあります。

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